■ 松井直樹先生に聞く① - 才能教育研究会(スズキメソード)銀座教室(東京都中央区)
■ もくじ

1)私の指導法と環境作り
2)現在、そしてこれからヴァイオリンを始める親御さんからの質問
・「曲の進め方が早くて心配です」
・「コンクールに出て入賞するには何がポイントですか?」
・「合奏・読譜のレッスンもしています」
・「楽器・弓選びのポイントは?」
・「うちの子は左利きです。大丈夫でしょうか?」
・「スランプの対処法は?」
・「親もヴァイオリンの経験がなく始めようか、戸惑っています」

■ 松井 直樹(まつい なおき)先生 プロフィール


長野県松本市出身 東京都在住。幼少よりヴァイオリンを父、宏中と鈴木鎮一に学ぶ。第19回全日本学生音楽コンクール 第2位。桐朋学園大学音楽学部卒業。卒業後、ドイツに渡り、ゾーリンゲン市立交響楽団、ラインオペラ、デュッセルドルフ市立交響楽団コンサートマスターを経てサイトウキネンオーケストラ、水戸室内管弦楽団などに参加。 

ドイツでの華々しい経歴の裏には、一日10時間もの壮絶な「基礎訓練のやり直し」があった。
自身の欠点に正面から向き合い克服した経験とスズキメソードの本質を融合した「実践的」な指導が人気。


1) 私の指導法と環境作り



ダ・ヴィンチヴァイオリン 山口保行)(以下「ダ」):先生、今日はお忙しいところありがとうございます。まず先生の指導法について教えていただきたいのですが、先生の生徒さんは姿勢が良いですね。 初歩とくに、楽器との構えと弓の持ち方についての指導で気をつけている点はありますか?



松井先生)(以下「松」) 初歩の段階というのは、一番簡単だと思うのです。「見て」できるので「音がどうこう」ではないから。ホールドの仕方、形を覚えてもらえばいいわけです。そして、ひたすらその形に近づくように何回もやってもらう。

自慢ではないですが、私の生徒には楽器の構えが悪い子は一人もいません。弓の持ち方は難しいですから時間をかけます。弓を持つ前にまず軽い鉛筆を使います。私自身、弓の持ち方やボーイング(弓の使い方)をちゃんと習っていなかったので自分のコンプレックスを反省して時間をかけて指導しますね。


ちなみに私はボーイングが悪かったせいで音が小さかった。当時はただ弾いていただけで、身体のバネを使っていなかったのです。身体のバネとか、指のバネとか・・音の表現を作るには、弓の毛と木のバネを使って音を変化させるっていうことですよね。そこの弾力というか、無理して弾くのではなくて弓に任せてボールと同じように柔軟性を持つ。それを身体がつかさどる。だから身体のバネを使うためにも、まず楽器を持つ姿勢良くすること、そして弓をちゃんと持つことを時間かけて教えます。



ダ) 鈴木先生は、「人は環境の子なり」ということをおっしゃられています。同じ時期にスタートしても、数年後非常に上手になっているお子様もいればそうでないお子様もいます。先生から見て、その差はどんなところにあるか、また親としてはどのような環境作りを心がければ良いでしょうか?

松) 当然、個々の能力の差というものはあります。ただ 個々の能力を上手に引き出すのがスズキメソード
です。能力がすべて同じだとは、スズキメソードも言ってないのですね。確かに環境作りは大変なところだと思います。やっぱりお母さまの力と取り組めるだけの日ごろのお稽古がなされていないと。努力の結果ですよね。

各ご家庭で考え方も違いますが、小さなときに、基礎的なことをする習慣作りが環境作りだと思います。些細なことですけれども、「ご飯を食べたらお勉強しようね」とか。


鈴木先生も仰っていたけれども、「人の人生なんてボーっとしていたらあっという間に終わっちゃう」ので、何かしら自分でやって人間のあるべき姿を作っていくっていう習慣作りをまずしていくことだと思います。



ダ) 才能教育(スズキメソード)と言うと平等、公平、そういうイメージがあるのですが、先生には「やる気塾」(※)に代表されるように演奏能力の高い、非常にやる気のある子たち、そういう子たちをピックアップしてより伸ばそうという環境作りをされていますね。(※注)やる気塾:演奏能力の高い生徒さんを集めて行う発表会。他の先生の生徒さんも参加すること、コンクールと同じように他の先生からも講評がもらえる。

松) はい、ただ私は特別英才教育をやっているわけではありません。 すべての子供たちの能力を引き出すというのがスズキメソードです。「どの子も育つ」というのはご存じだと思いますが、鈴木鎮一先生が100点教育で始めたのです。公文のドリルと同じで、何回もやってみんなが100点になるまで能力を伸ばしてく。

だから、落伍者がいないというのが基本的な考えです。「100点が平等」なのであって100点以上のことができる子たちは、そういうことをもっと伸ばしてあげているっていうことですね。私は100点の落ちこぼれがいないように育てています。



ダ) お稽古に集中できないお子様もいらっしゃると思います。家庭でのお稽古で気をつけるポイントはありますか?

松)子供ってなんでも頭抑えられると嫌だって反抗しますよね。無理しないことが第一です。だから一番簡単なことを何回も出来るまでやる。それが集中だと思います。短くても集中できるようなお稽古の仕方、例えば最初は2分で終わり。次は3分。もしかしたらまた2分に戻ってしまうかもしれないけれども、次は2分+2分で2回やってもらう。

一番子供にとって目標が取りやすいのは、同じことを繰り返しやることです。それから、集中してやるタイミングの取り方をまず、お母さまたちに言いますね。



ダ) 勉強とヴァイオリン、ついでにスポーツとすべてできる子もいます。そういうお子さんは普段どのような感じでしょうか?

松) そういう子は、要領がいいですね。やらなければならないところだけを5分とか集中するのです。こちらがその要領のよさを学ぶような感じです。


でも、共通しているのはそういうお子様の特徴は、「あきらめない」。停滞するときもあるけれども待っているといつか自分で考えて上手になっていく。そういう子たちには、あんまり苦労もしないですね・・。言わなくても出来ますから。CDから勉強したり自分で工夫したりしています。


              2)現在、そしてこれからヴァイオリンを始める親御さんからの質問 へ                       

1 ・ 2


松井直樹先生のレッスンを受けたい!という方は

才能教育研究会(銀座教室) http://suzuki-ginza.com/
電話 0120-556-414(平日9:30~18:00)

へご連絡ください。



※取材日時 2011年9月9日
※取材製作:株式会社ダ・ヴィンチヴァイオリン