1)生い立ち
ダヴィンチ・ヴァイオリン(以下 ダ)と省略) 先生、今日はありがとうございます。先生のお母様もスズキメソードの指導者ですね。芸大までの道のりを教えていただけますか?
マ)最初は自宅で母に教えてもらいスズキが教本は一通り終わったあと、小学校4年生くらいから小林武史先生習いました。中学に入ったころからお友達の影響で、「桐朋に行くんだ」とかいう子もいて、誘われて一緒に講習にいったりしました。その時期から本格的に練習しました。それまでは、音楽家になる決意が遅かったので音楽高校受験は考えず大学に焦点を絞って受験しました。今思うとものすごく集中していましたね。
2) 現在の指導法
ダ) レッスン開始時期で気をつけられていることは何でしょうか?
マ) お子様にとってレッスンの「とっかかり」としては楽しいのが大事だと思います。私は楽しくできる工夫をお母様と一緒に考えてもらってやってもらっています。その子が興味を持っているジャンルの会話をしながらヴァイオリンにうまくつなげていくようにしています。
ダ)楽器の構え、弓の初持ち方の指導のポイントは?
マ)繰り返しですね。初めてやることだから、すぐにできないと思いますので最初は5分で良いです。楽器の構えでは肩に乗せて~の動きを一通りやります。その時「背筋」が重要です。でも子供はすぐ疲れちゃうので、体型を見ながら姿勢を直します。毎日やっていると1週間もトレーニングすると筋肉ついてくるので出来るようになりますね。
最初から弓を持って練習はしません。弓の持ち方も小さい子は指の力がないので、指で「輪」を作ったり、「弓ふり」の練習で指の力を強くする訓練を「1週間やってきてね」というと指の力も強くなってきます。それが出来ると次は鉛筆で練習します。弓を握れば簡単ですけれども、弓の持ち方は「つまむ」動きなのです。鈴木先生は、フロッグ(弓の毛箱)の「わく」を持って指導されましたし、私もそのように教えます。「わく」を持って弾く方法は大人の方も時々やると良いと思います。
ダ)お教室では、スズキの教本を使われるのですか?
マ)そうです。最初は導入から順番通りにやって、5,6巻になってくると発表会などで教本に載っていない曲をやりたいと言ってくる子もいますので、そういう時には教本以外の曲をやることもあります。
基礎訓練としては小さい子から「セヴシックOP1-1 」(有名な基礎技術用の教本)をやっています。私は大学受験の時から小林健次先生に御世話になりました。小林先生は「ガラミアン(有名な指導者)奏法」を研究された方で、セヴシックから始まるのです。それがとても良かったので「私がもしも小さい頃からやっていたら違っていただろうなぁ」と思ったくらいです。 それまではこの教本を系統立て使っていなかったので、先生からやり方を教わって、小さい子からやらせています。コピーを渡して1枚だけ、数小節ずつやってきてね!と宿題にだして、コピーがなくなったら本を買ってね。と言っています。 順番に数小節ずつです。レッスンでも5分くらいで終わります。
スケール(音階練習)はスズキの教本には3巻くらいまでは入っていますね。4巻からはスケールがありませんから、その子のレベルに合わせて「フリマリー」(音階教本)を使用します。まずは第一ポジション(左手の基本の位置)、一オクターブ(一つの音階)のスケールから始めます。ある程度進んで来たら、カイザー、クロイツェル、ローデ(それぞれ有名な練習曲)なども使用します。 課題曲でもあるのでコンクール組は「ドント」(有名な練習曲)もやりました。
ダ)曲の合格の基準、完成度を教えてくださいますか?
マ)適当にごまかしてしまうことが無いように、指導者としてここだけは外せないというポイント、「ここは○○してね」と直して欲しいことが出来れば基本的には合格です。中には上手く弾けなくてもその子なりに頑張っていたら進ませてしまうこともあります。それはお子様に応じて対応しているので、状況を見て判断します。
3) スズキメソードの批判に対して
ダ)スズキメソードへの批判で「よく楽譜が読めない」と言われています。
はい、友人から「スズキの子がきて楽譜が読めなくて困った」と聞くこともありました。ある程度のレベルの曲を弾くのであれば読能力は必要です。私自身は、自宅で(ピアノ教師でもある)祖母から楽譜の読み方を習い、中1の時には桐朋の「子供のための音楽教室」のソルフェージュ(読譜の基礎練習)に通っていました。ピアノをやっていればある程度は楽譜を読めますし音程も安定するでしょう。
特別な指導はしていませんが、小さい子の場合は曲を「ドレミ」で歌うようにします。現在私の生徒さんで、それほど読譜に苦労している子はいないですね。ヴァイオリンはメロディー楽器なのでそれほど楽譜にシビアになることもないですが、ポジション移動をやってからはきちんと左手のフィンガリング(指使い)を考えたほうがいいと思います。
4) 優秀な生徒さん
ダ) 先生の生徒さんにはコンクール入賞の常連でもある関 朋岳(せき ともたか)君がいますね。
マ) 3歳の時から教えていまして現在今中学1年生です。すごく素直な子ですね。関君のお母さまのお話によると、最初は普通のペースでやっていたのですが、家を引越してヴァイオリンの練習ができる環境になってからメキメキ伸びてきたそうです。小学校3年生くらいにはスズキの10巻まで終わっていました。
お母様はすごく一生懸命です。家では厳しくされていたようですが、そのおかげで上手になりました。割と呑み込みが早かったのは理由があります。 お母さまはいろいろ考えていて、彼が小さい頃とか私のレッスンでお話しする難しいことをお母さまが噛み砕いて説明していましたね。私自身、子供にはわかりやすく話をしているつもりですが、それでもお子様にはわかりにくいことがあるのです。そこをお母さまがフォローして下さっていました。復習もちゃんとやってくることはすごく大事です。
練習中の関朋岳くん(中1) サン・サーンス ヴァイオリン協奏曲第3番を弾く(やる気塾にて)
5) お子様のモチベーションを上げるには に続く
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※取材日時 2011年9月19日
※取材製作:株式会社ダ・ヴィンチヴァイオリン