マ) 例えば関君の場合は、レッスンで前後になったりするお兄さんお姉さんが弾く姿を見るのが好きだったようです。格好よく見えたのでしょう。だから、彼のレッスンの前後に意図的に刺激になりそうな子をレッスンすることもありました。そして「少し言えば出来てしまう」頃に教本には無い難しい曲、ちょっと頑張らないと出来ないような曲をやらせてみたのです。あとからお母さまに伺うと「本当に大変だった」とおっしゃっていましたが、何とか出来てしまった。それからトントンと進みましたね。それは親子一丸となってやっていましたよ。でも、これまで私からは特に音楽家になりなさいと言ったこともないです。
生徒さんのモチベーションを上げるために、私からコンクールに出ることを勧めてはいないです。コンクールって賛否両論ありますから、こちらから押し付けたりはしません。 ただ、コンクール「やりたい?」「やってみる?」って聞いて「うん。」って言った子にだけに出場してもらっています。コンクールを意識している子供たちには刺激になるでしょうね。関くんの場合も「そんなに頑張るのだったら出てみたら(笑)」という感じでした。 彼はコンクールの緊張感が大好きですって(笑)
6) 小さい生徒さんの曲のイメージ作り
マ) 「ここは歌うように弾いて」と言ってもお子様はわからないです。だから私は「ここは鳥さんがうたっているところで・・」などと最初に子供たちにイメージを伝えます。
以前、「ここはおじさんが歌いながら踊っているようなたのしそうな感じで」とか「そこは可愛いらしい女の子が踊っているんだよ」とか伝えているうちに段々エスカレートして、すごいミュージカルみたいのが出来上がって「ここのところはそのおじさんがね、この女の子に・・・・」とかやっていました。そうすると小さい子でも自分なりに抑揚をつけて表現しようとしますね。
他にも今始めたばかりの3歳の男の子は、仮面ライダーが好きで、「仮面ライダー」というと食いつきが違います。小さい子って集中力がないから飽きてきちゃって、「ほら、仮面ライダーの絵を描いたからここにヴァイオリンを向けてっ!」と言葉がけをしてみたり、弓の持つ腕が前方に出るようにするために仮面ライダーの武器を発射するポーズをして「ミサイル発射だ!」 と言ってみたり。とても効果があって。こちらも楽しいですね。手段は選びません(笑)。
女の子だったら今は「プリキュア」とか。でも、このように子供たちの世界でイメージして指導していますとイヤイヤ弾いているのではなく、彼らの演奏に自主性が見えてくるのです。それに子供たちの目が輝きます。私も半分楽しんでやっています(笑)。
7) 楽器選びについて
マ) 反応が良くて鳴らしやすいこと、倍音が鳴るかを基準にしています。特にメーカーや生産国にこだわりはないです。買える人にはイタリアをお勧めしますけれども。予算の中で一番いいものを状態のいいものを選びます。弓の場合は楽器に見合ったものを最初は選びます。子供たちの中には欲が出てきて「もっといい音出したい」という子もいるので、そういうお子様にはもう少しいいものをお勧めします。
機能的にはバランスがいいこと、弾力も適度にあることです。それと選んだ楽器と相性がいいなと思えること、音も滑らかにつながるのが良いですね。もちろん、いい弓でもその楽器にはいまいちということもあります。私が教えている生徒さんは大体好みが似てきます。
8) お母様方からの質問の回答
ダ) 「褒めて育てる」ことについてのお考えを聞かせてください。
マ) 子供の頃、母親との練習で泣いていた記憶もありますが、褒められると嬉しかったです。人間って褒められると嬉しいですよね。褒めるって本当に大事だなと思います。「褒め殺し」の先生もおりまして、私なんかいつものせられていました。
ダ)子供たちがスランプに陥った時はどんな対応をしますか?
マ) そういうことありますね。本当に「どツボ」にはまってしまった時には、いったんその曲をお休みして弾かないように指導することもあります。 その曲を弾くために必要な要素を取り入れながら、その子の好きそうな曲を演奏させて時期を待ちます。リフレッシュした曲でも褒め殺しをして(笑)。 そうしていると、弾かなくて良い、と言っているのに弾いてきますよ(笑)
ダ) 先生のクラスでは合奏や、他の演奏生徒さんを聴く機会はあるのでしょうか?
マ) 前後の生徒さんのレッスン、クラスの発表会、合奏練習も定期的にあるので、刺激を受けると思います。 夏には合宿をやりますのでそこでも合奏があります。お教室によりますが、スズキでは支部の教室全体の発表会もあります。私自身、中学生になったころに、地元の神奈川県藤沢市のジュニア・オーケストラに入っていました。楽しかったのでモチベーションを維持するには役立ちました。
ダ) 何とかしようといつも頑張りすぎて子供の関係がぎくしゃくしてしまいます。
マ) 私もそれまでひたすら一所懸命やっていたのが、結婚した今は少しゆとりを持ってできているように思います。確かにお母さまがちゃんと見てくださるのでお子様は伸びるのです。でも一方で、曲の仕上がりに関して一時的に煮詰まってくることもあります。そのような時は「まぁ、そんなに一所懸命にしなくても」「ちょっと今は耳栓してくださいね」「お母さん、ここは我慢のしどころですよ」などとお伝えして、少しでも良い方向にと対処します。
ダ) ハイレベルをめざすお子様を持つ親御さんへお伝えしたいことはありますか?
マ) 結果にとらわれないで欲しいです。例えばコンクールに入選できなかった時はお母様としては思い入れがある分、浮き沈みもあると思います。ただコンクールを受けた場合は「その曲を仕上げた」という前進が必ずあるわけです。私も経験上、みえてくることがあるので、「今みれば失敗に思えるかもしれないけれども」というようお話をしています。
ブルッフ:協奏曲ト短調を弾く生徒さん(中2)
ダ) 最後にこれから始められるお母さまでヴァイオリンをやったことがないということでヴァイオリンのレッスンを始めるか戸惑っていらっしゃる方がいます。そういった方へのアドバイスをお願いします。
マ) ヴァイオリン経験者は自分がやってきたことを子供に教えてしまうことがあります。すべてではありませんが、必ずしも私のやって欲しいことではないこともあるのです。その点で、ヴァイオリンをやったことない人の方が素直にレッスンで申し上げたことをやっていただけると思います。新鮮なお気持ちでお子様とやっていただいた方が良いと思います。私としては未経験の方は大歓迎ですので全然心配ありません。ぜひ、お子様と一緒にヴァイオリン始めてみてはいかがでしょうか?
ダ)先生、今日はありがとうございます!
守田マヤ先生のレッスンを受けたい!という方は
才能教育研究会(銀座教室) http://suzuki-ginza.com/
電話 0120-556-414(平日9:30~18:00)
へご連絡ください。
※取材日時 2011年9月19日
※取材製作:株式会社ダ・ヴィンチヴァイオリン