フランスと言えばパリを思い出します。まさにフランス文化の中心はパリです。

しかし1700～1900年代前半にかけてフランスのヴァイオリン・弓製作の中心は
パリから300kmほど離れたミルクールという町にありました。
（町には弦楽器や弓製作者の名前がついている通りがあります）

町のいたるところでヴァイオリン製作が行われていたようです。
当時の写真を見ますと女性はもちろん子供たちも労働しているのです。

最盛期には一般家庭でも内職みたいに仕事していたようです。

工房や工場で働いていた子供たちはそのまま弦楽器職人となった人もいます。
さらに優秀な職人となれば工房の親方となり家族以外にも複数の職人を抱えて
日々、弦楽器をヨーロッパ中に供給していました。

そのような経緯があったのでフランスは優れた製作者が多いのです。

フランスのオールドヴァイオリンは大半がミルクールで修行を積んだ製作者たちに
よって製作されていますので作風が似ています。

特に1800～1900年前後のフランス製のオールドヴァイオリンはフランスならではの
特徴があるので弦楽器ディーラーなら一目で「フランス製」とわかります。

ヴァイオリン製作技術の伝統が親方から弟子にきちんと伝わっていた証拠です。
木目がとても美しく、裏板は新作にはないような素晴らしい材料が使われています。

安定した製作技術と豊富な材料によって製作されたフランスのヴァイオリン。

フランスのオールドヴァイオリンを手にしたあなたはフランス製とわかる安心と
安定した製作技術に裏づけされたパフォーマンスが得られます。

そして激動のフランスの歴史と印象派に代表されるフランス芸術に想いを馳せてみるのも
素敵だと思いませんか？

そうそう、あのマリー･アントワネットは幼少のモーツアルトに出会ってましたね。